私は河川、海岸の整備・改修の公共事業に携わる仕事をしていました。
2019.10.12~13に猛威を振るい、多くの方々に災難をもたらした台風19号に対しても水位や雨量、堤防の破壊メカニズム知識も含め様々な情報を得ていました。
今回は皆さんにも私がお勧めする災害情報の取得方法を〇つのポイントに分けて紹介したいと思います。
個人的な考えの部分もございますので、その点についてはご了承いただけますようお願いいたします。
1.何よりもまずはハザードマップを確認しよう!
案外あると分かっていても見ないハザードマップですが、各自治体のホームページを見ると簡単に見ることができるので、河川付近に住んでいる方は絶対確認してください!河川と標高との関係を加味して作成されており破堤時(堤防が壊れた時)の浸水域が載っています。
下のツイートは今回大きく破堤してしまった千曲川の穂保のハザードマップになります。しっかりと私が確認したわけでは無いですが、テレビ番組「羽鳥慎一モーニングショー」ではハザードマップと実際の浸水域が一致していたという内容の放送があったようです。(テレビが真実を言っていると過信するのも問題ですが、、、)
それにしてもこういうツイートをしてくれるなんて本当に素晴らしい方ですよね!正しい情報を拡散することによって助かる人も大勢いたでしょう!
2.河川の水位、雨量は上流を見て予測しよう!
河川、雨量の情報は「川の防災情報 ー 国土交通省」のサイトから確認ができます!
地図からも川の名前からも自分の住まいの最寄を検索できますので状況を確認してみましょう!
ちなみに、河川事業の関係者は人が多く住んでいる地域だけでなく、もっと上流の山間の水位と雨量を確認しています。と言うのも結局は下流に流れるので、、、、
下図は日本と世界の代表的な川をの勾配(傾き、傾斜)を比較したものになります。
どうです!?
明らかに急ですよね!!
川は基本的に下流側は緩やかになるので、上流からの流れが一気に溜まってしまいます!下図参照
全てがこの形ではありませんが、日本の多くはこの形が多いかと思います。
なので、注目すべきは 「家の近く」だけでなく「上流」も重要になってきます!
3.google、yahoo地図で川の特徴を簡単に確認しよう
実は川の特徴は勾配(傾斜、傾き)だけでは判断ができません!
平面的な形もとても重要になるんです!
死者96名、新幹線が浸水するといった衝撃な被害をもたらした「台風19号(2019年)」の大きな被害があった長野県ー千曲川の現場で事例を出しましょう。
下図は信濃毎日新聞に掲載されていたものなのですが、簡単に言うと
「川が溢れた箇所なので強化します!」
と計画された箇所になります。
ただ単に見ていると
「へーそうなんだぁー」
で終わってしまうのですが、よく川の形状を見ると、、、、
越水している箇所は「急激なカーブ」や「ジグザグな河川形状」をしています!つまり水が流れにくく溜まりやすい箇所だったんです!
ご自分のおうちの近くの川の形もぜひ見てみてください!
これだけでなく、
・下流側が狭くなっている
・多数の川と合流する箇所
こんな箇所は水位が上がりやすい傾向があります。
特徴を掴んでいれば対策も取れます!ぜひ確認を!
4.氾濫危険水位?氾濫注意水位?それぞれの名称について理解しよう!
テレビやスマホで「氾濫危険水位になりました」と連絡が来ても正直よくわかりませんよね!?
下図は広島県がHP上で発表している水位と警報、住民の行動の連動を表したものになります。
非常にわかりやすいですね!!
判断危険水位になったらとにかく避難の準備をすることですね。
ちなみに、大体水位が上がって大変だ!!というときの雨の降り方は尋常じゃない時が多いので、避難の移動はいつもの動きよりもかなり大変!と認識をしておいてください。
また、次のパートで話しますが、堤防を水が超えなくても堤防が壊れることがあるのです!!!
なので、たかを括らず素直に避難を進めましょう!
5.越水しなくても堤防は壊れる??破堤のメカニズムを理解しよう!
非常にわかりやすいのでこの動画をぜひ見てみてください!!!!
河川の堤防は土でできているので水が浸透するんですね。
水位が上がっている時に堤防の裏側で水が噴き出ていることもあります!
堤防が壊れることを「破堤」と言いますが、破堤のメカニズムは主に4つあります。
下図は「西日本新聞」の記事を抜粋した「破堤のメカニズム」になります。
意外や意外、堤防が壊れるのは水が溢れる時だけではないんです!
イメージをすると、、、、、
子供の頃、砂場で砂山を作ったことがありますよね???
水をかけるとどうなりました??
もろくなって崩れましたよね!
まさにそれが河川の堤防でも発生するんです。
これを知っていれば命を守る行動をより取れるようになるかと思います!
総論
近年、毎年のように豪雨による災害が起きています。かなり局所的で対策をとる時間もないくらいの災害もあります。
そんな中でも自分の知識を増やし、行動へ繋げることが自分だけでなく、大事な人を守ることにつながります!
私のやり方が全てではもちろんありませんが、もしお役に立てたなら幸いです。
世界から災害が無くなりますように!
ありがとうございました!